今日はRASTYさんと3UPさん訪問です。
まずはRASTYさん。
http://www.rasty.tv/index.html
駐車場には有田社長のパーツ開発用のクルマがあったので、出勤されているようだゾ。
と思って店内に入ると…
メカニックの今川さん、
「あっッ! 今日、有田いないっス」
おかしいなあ、駐車場に社長のRCあったけど?
「有田は今日、茂原サーキットでドリフトです。ボクのJZXのっていっちゃったんで、交換でRC乗ってるんですョ」
知らなかった! 有田さんて筑波サーキットの鬼のようなイメージだったから、ドリフトやっていると思わなかった。意外…
最近ではすっかりFT86のイメージが強いRASTYさん。それもそのはず。筑波サーキットではHKSのデモカーと激しいタイム争いで有名でしたから。
けれど、私のようなオジサン世代からすれば、JZXのイメージのほうが強い。一昔前に一世風靡した、日帰りAT→MT載せ替えメニューは、強烈なインパクトでしたから。
今日はお会いできずザンネン。JZXについての商品の相談がいくつかあったんですよね。90系で26年前の発売、100系でさえ22年以上経ちますから、ネオ旧車に突入時期。チューニングパーツだけでなく、補修パーツの相談がしたかったのです。以前にはこんな商品のご提案をいただきました。
http://silkroad-jp.com/html/pdf/bs.nc.pdf
こういった部分にダメージが出てきており、補修をする際に必要な部品に熟知されているのは、長年専門店として、数え切れないほどのJZXたちを見てきたからこそ。
有田さんがサーキットにいっちゃったら、日が沈むまで走り続けるよね。ザンネン、また来月に相談しよう。
お次は当ブログではお馴染み3UPさん。
あれ、人の気配がしない?
作業場にもだれもいない… ばらばらに分解されたエンジン部品…
電話すると「二階にあがってくださ~い」。ええっッ? 珍しい、夕方7時前に仕事切り上げているなんて。
魂のぬけた三上さんが食事セッティング済みでボケ老人のように尽き果てています。
「もう、いやになっちゃったんです。今日はエンジンずっと洗浄してました。体がボロボロです」
あとでブログをのぞくと、こんな状態だったようです。
お疲れさまでした(苦笑)。同じ歳同士、アラフィフですが、もう作業はつらい年齢ですね、お互い…
「ぶっちゃけ、オーバーホールじゃなくて、部品は新品交換してもらうほうが助かるんです。でもね、自分がユーザーの立場で考えたら、値段の差が申し訳ないんでねえ…」
シルビア、スカイラインも、JZXたちと同じく十分ネオ旧車。あちこちガタが来ているのですが、専門家じゃないと対応出来ません。そして部品代も高騰しているので、お客さんの懐事情を考えると、ということのようです。
久しぶりのジンギスカンなので、テンション上がっておられます。もちろんラム肉好きの私は、ハイテンション!
三上さんがやんちゃだった学生時代の、地元の先輩のお店から強奪してきた新鮮生ラム肉は超旨いっす。
元初代D1女性チャンピオン岡崎さんは、好き嫌いが激しく、ラム肉は拒否。においも嫌いだといつもご不満です(笑)
すっかりお世話になり、宿泊もさせてもらい、翌朝、打ち合わせ。
これからの3UPとのコラボ商品が決まりました。
①RB20/25用 ノーマルタービン対応エキマニ。RBエンジンの純正マニって、結構朽ち果ててしまっているそうです。どうせ交換するなら、ステンでカッコよくて、ちょっと音が良くなって、少しパワーが上がってほしいですよね、的な発想。
②SR20のNAエンジン用のエキマニ。最近は、若いお客さんが、予算の都合上NAシルビアを購入して来店することが増えているそうです。NAエンジンをターボ化することはできなくも無いですが、費用がかなりかさむし、エンジンの耐久性の問題もあり、また、もう時代が「モアパワー」「ハイパワー=偉い」ということもなくなっているので、楽しく、ドリフトを愉しむなら、エキマニでもいいじゃない、ってことになりました。その代わり、ロングタイプでトルクが少しでも上がるようにする方向で、試作に入ります。
エキマニでさえ、チューニングパーツではあるものの、どちらかといえば朽ち果てた純正の交換であったりと、ネオ旧車になったクルマの補助的なパーツになっています。3UPさんでも、バリバリのドリフターがやってくることよりも、エアコン修理や、メンバーブッシュの修理、エンジンオーバーホールなどの、手間がかかる補修仕事が半分以上とのこと。
ダメ押しはコイツ…
ぎゃー! なんじゃこりゃ!?
「いやあ、お客さんがドリフト中にナックル折れからの、ショック曲がりですゥ」
そうなんです、三上さんの恐ろしいイジメにも近い、ダメ出しを2年間くらい続けてようやく完成したコラボ車高調。三好選手、新見選手、小橋選手などにも三上さんを通じて使ってもらった当社の車高調。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-rms
一昔前だったら、こんなことになったら、車高調ごと買い替えなんてザラでしたが、今はもうオーバーホールが当たり前の時代。でも、時間もちょっとかかるので、急ぎならショック一本、丸ごと新品送りましょうか? そのほうがほんの少し値段は高くても速いですもんね。
「いえ、ロッドの交換でオーバーホールでお願いします」
そりゃそうだよね。昔から競技やっているヒトって、いつもお金が無いんですよね。うちの社長も昔はラリー、ダートラのレースにお金で苦労して参戦してたそうですし、当社のおっさん社員どもも、そういう経験者ばかり。競技はカネ喰い虫だからねえ。できるだけ安くオーバーホールしないとね。昔はほとんどが減衰変更の作業だったのに、最近はオーバーホールの依頼のほうが多いことも。
ネオ旧車化するクルマは今後、ドンドン増えてきます。そうなると、純正部品の高騰だけでなく、廃盤になってしまう部品もゾクゾクと増えてきます。それをアフターパーツ業界の私たちが変わりになる部品を作っていくことも、またクルマ文化の発展に繋がります。
古いものを大切にする、長く使う、日本の「MOTTAINAI」精神。アフリカ人としてはじめてノーベル賞を受賞した、ワンガリ・マータイさんが国連で働いているときに、この日本の精神を世界に発信してくれました。
さて、今日は、このひん曲がったショックを持って、奈良県に戻ります。